福光村・昆虫記リスト種類別
シリアゲムシアミメカゲロウカゲロウトビケラカワゲラ
シリアゲムシ
(長翅目:ちょうしもく/シリアゲムシ目)
 J011 キシタトゲシリアゲ♀(シリアゲムシ科)  #J011−1 キシタトゲシリアゲ♀(シリアゲムシ科)
 撮影F7:2008/05/01 益田市匹見町 奥匹見峡  撮影F7:2008/05/01 益田市匹見町 奥匹見峡
 前翅長13〜14mm。翅は透明で中央後よりに黒くて細い1本の帯が見られます。上の写真は体の上側が黒く、下側が黄褐色で、腹部の後側が薄い茶褐色に見えます。図鑑には体は黒色で、腹部の後ろは一般に褐色しているとあります。名がキシタとありますから体の下側が黄色ともとれるのですが、他に似たシリアゲムシがいないので、現時点ではキシタトゲシリアゲと同定します。 ■別名:ホソオビシリアゲ
■♂の腹部中央付近に上向きの突起があることから、名が付けられているそうです。
 J013 ブライアシリアゲ(シリアゲムシ科)  #J013−1 ブライアシリアゲ(シリアゲムシ科)
 撮影F7:2008/04/30 益田市匹見町  撮影F7:2008/04/30 益田市匹見町
 前翅長13〜18mm。体の背面は黒色で、胸部側面,腹部,肢は黄緑色をしています。翅の黒い斑紋は発達していますが、東北以北では斑紋は小さく、無いものもいるそうです。  
 J007 ベッコウシリアゲ♂(シリアゲムシ科) [拡大  #J007−1 ベッコウシリアゲ♀(シリアゲムシ科)
 撮影F:2003/08/24  温泉津町福光  民家Kそば  撮影F:2005/08/22 温泉津町
 体長13mm、ホースの様な口、尻がくるっと上に向いているのがこの昆虫の特徴。♂はお尻の先端がハサミのようになっています。弱った昆虫の体液を吸うそうです。■ヤマトシリアゲが生まれる時期により、黒やベッコウ色になるそうで、実際同じヤマトシリアゲだそうです。   尻先が尖っていますから♀です。
 #J007−2 ベッコウシリアゲ♀(シリアゲムシ科)  #J007−3 ベッコウシリアゲ♀(シリアゲムシ科)
 撮影F7:2010/10/23 横浜市  撮影F7:2010/10/23 横浜市
 J008 ヤマトシリアゲ♀(シリアゲムシ科)  #J008−1 ヤマトシリアゲ♂(シリアゲムシ科)
 撮影C:2004/05/09 温泉津町福光川支流  撮影X:2005/05/04 温泉津町今浦
 体長12〜20mm。尾の先が尖っていますから♀です。以前♂を撮影していますが、今回撮影者が♀を撮ってくれました。♀も♂同様口がホースの様に長いです。発生時期は年に2回で、4〜5月と7〜8月です。4〜5月に生まれたものは全体が黒くヤマトシリアゲと呼ばれ、7〜8月に生まれたものは全体がベッコウ色でベッコウシリアゲと呼ばれています。同じ仲間であることが近年分り、何れもヤマトシリアゲと呼ばれています。食べるもの:小動物の死骸,腐った植物です。  尻先がハサミ状なので♂です。
 #J008−3,−4 ヤマトシリアゲ♂(シリアゲムシ科)  #J008−8,−9 ヤマトシリアゲ♀(シリアゲムシ科)
 撮影F7:2008/05/01 益田市匹見町  撮影TG6:2021/05/11 町田市
 #J008−6 ヤマトシリアゲ♀(シリアゲムシ科)  #J008−7 ヤマトシリアゲ♀(シリアゲムシ科)
 撮影SU7:2010/05/14 町田市  撮影SU7:2010/05/14 町田市
 J006 スカシシリアゲモドキ♂(シリアゲムシ科)  
 撮影C:2007/06/12 大田市三瓶町 三瓶山   
 前翅長14〜18mm。体は黄褐色から闇褐色で、♂の翅は縁が不透明、全体は半透明で翅脈が黄灰色をしていることから、全体にこの色に見えます。♀の翅は無色透明から半透明で、褐色した斑紋のあるものとないものがいるそうです。中部以西に分布し、山地や山岳に生息しています。   


アミメカゲロウ
(脈翅目:みゃくしもく/アミメカゲロウ目)
 H022 ツノトンボ♂(ツノトンボ科)  H022−1 ツノトンボ♀(ツノトンボ科) [拡大
 撮影C:2004/07/12  温泉津町福光  民家k庭  撮影C:2004/08/05 温泉津町福光 民家k庭
 実際の姿は縦にぶら下がっています。写真は斜めに倒して掲載しました。体長34mm前後、前翅長38mm前後。♂は全体が茶褐色で、腹部前から頭部までの背が黄色です。翅は透明で、触角は黒色で先が丸く玉になっています。♂には尻先にハサミの様な突起があります。  体長34mm前後、前翅長38mm前後。♀は全体に黒い褐色で、頭部から腹部端の背に、黄色く太い縦スジが見られます。♀の腹部は隣の♂に比べて太いです。翅は透明で、触角は黒色で先が丸く玉になっています。尻先にハサミはありません。
 J009 アリジゴクの巣(ウスバカゲロウ科)  #J009−1 ウスバカゲロウ(ウスバカゲロウ科)
 撮影C:2004/07/06  大田市大森町  ---
 本種は神社やお寺の建物の床下でよく見かけます。巣は砂の多いサラサラした土の地面にスリ鉢状の穴を掘った構造です。作り方は後ろ向きに丸く後ずさりをし、外形を作ります。後は砂を四方八方に跳ね飛ばし、スリ鉢状にします。巣の完成は10〜20分掛かります。待機している場所は穴の中心で、獲物が近くを通ると砂がパラパラ中心にこぼれて振動が伝わります。長く砂がこぼれていると砂を跳ね飛ばして獲物がスリ鉢の中心に落ちるようにします。獲物が中心に落ちてきた時半身を出し、頭部にある大アゴで獲物を挟み、捕らえます。体液を吸って、殻は大きく周囲(20〜30cm)へ跳ね飛ばします。名前にあるように獲物の多くはアリです。 ■成虫:開張約85mm、体長約35mm、地味なトンボの様な姿。
■アリが一度スリ鉢の穴に落ちると、這い上がろうとしても砂混じりのサラサラした土が、パラパラ崩れて這い上がって抜け出せなくなることからアリジゴクと呼ばれている。しかしアリジゴクがいない空の巣の場合はアリは数十秒も掛かることなく抜け出てしまう。アリジゴクが振動を感じて、細かく砂を跳ね上げる行動が抜け出し難くさせている。
■アリジゴクから一言。「ウスバ・カゲロウと読んで」
 #J009−4 ウスバカゲロウ(ウスバカゲロウ科)  #J009−5 ウスバカゲロウ(ウスバカゲロウ科)
 撮影F7:2008/07/15 温泉津町  撮影F7:2008/07/15 温泉津町
 J009−2 ウスバカゲロウ(ウスバカゲロウ科)  #J009−3 ウスバカゲロウ(ウスバカゲロウ科)
 撮影F7:2007/07/03 大田市大森町  撮影F7:2007/07/03 大田市大森町
 開張約85mm、前翅長36〜43mm、体長34〜36mm。全体に背面が闇褐色から黒色で、下面は黄色から黄褐色をしています。翅は透明で、脈は黄色褐色、縁紋は白色の卵形をしています。幼虫は神社やお寺の縁の下に、スリ鉢状の巣を作ります。 ■似た仲間>コウスバカゲロウ:触角が短く小型、翅脈は黒く縁紋が黄色、海辺や河原の砂地にスリ鉢状の巣を作る。
 H102 ゴマダラウスバカゲロウ(ウスバカゲロウ科)  #H102−1 ゴマダラウスバカゲロウ(ウスバカゲロウ科)
 撮影C:2006/06/20 温泉津町福光  撮影C:2006/06/20 温泉津町福光
 開張約28mm、体長約23mm。腹部の背と両側に褐色した縦筋が見られ、前翅と後翅両方に褐色した大き目の斑が片側それぞれ2個あります。肢は黄色と黒の斑模様をしています。  本種の幼虫はアリ地獄の巣を作りません。体に地衣類を付けて、地衣類の付いた石や樹に生息し、近くを通る虫を捕らえて体液を吸います。
 J022 スカシヒロバカゲロウ(ヒロバカゲロウ科)  #J022−1 スカシヒロバカゲロウ(ヒロバカゲロウ科)
 撮影S10:2010/05/06 相模原市  撮影S10:2010/05/06 相模原市
写真の特徴:頭部は黄色で、腹部の先は黄色く見えない,翅の斑紋は淡い褐色,触角の間の黒紋は、ハッキリしないが無いように見える。
○スカシヒロバカゲロウ:開張45〜50mm。頭部は鮮やかな黄色,前複眼,触角,中胸,後胸黒褐色,翅周縁の斑紋は淡い褐色※世界文化社 昆虫図鑑T,前翅の先が尖る※学研生物図鑑 昆虫V
×ウスモンヒロバカゲロウ(別名ウンモンヒロバカゲロウ):
開張50〜55m。頭部と尾節(びせつ)は黄色,胸部背の前縁中央に黄紋,前翅周縁の斑紋は黒褐色,触角の間に2又の大黒紋が1個ある,前翅の脈はほぼ黒色※世界文化社 昆虫図鑑T 
 J021 不明(ヒロバカゲロウ科)  #J014 不明(科)
 撮影C:2004/06/20  温泉津町福光  撮影F7:2008/08/15 温泉津町
△スカシヒロバカゲロウ:
?ウスモンヒロバカゲロウ(別名ウンモンヒロバカゲロウ):
開張50〜55mm。頭部と尾節(びせつ)は黄色,胸部背の前縁中央に黄紋,前翅周縁の斑紋は黒褐色,触角の間に2又の大黒紋が1個ある,前翅の脈はほぼ黒色※世界文化社 昆虫図鑑T
 調査中
 #J004 不明な幼虫(科)  J017(旧番H107-2)スズキクサカゲロウ幼虫(クサカゲロウ科)
 撮影F7:2006/04/23 温泉津町  撮影F7:2007/05/11 温泉津町
  2009.06.01クマジロウ氏の助言から、同定しました。
全体に黒褐色で、胸部背に2本の黄色い横帯をもちます。
 J010 ヤマトクサカゲロウ幼虫A型(クサカゲロウ科)  #J010−1 ヤマトクサカゲロウ幼虫A型(クサカゲロウ科)
 撮影F7:2007/07/03 温泉津町  撮影F7:2007/07/03 温泉津町
2009.06.01クマジロウ氏の助言から、同定しました。
全体は淡いクリーム色で、胸部背から尻端まで太い2本の赤褐色スジが見られます。スジはギザギザしているように見えます。幼虫は体に塵(ちり)やゴミを付けないそうです。幼虫はアブラムシ類を食べますが、成虫はそれらが出す甘い分泌物を利用するそうです。利用とは摂取することとは何か違う意味があるようで、両方分けて記載されていました。
■学研の日本産幼虫図鑑によりますと、頭部全体が黒いものもいて、そちらをB型というそうです。
■似た仲間>アカスジクサカゲロウ:頭部にある2本の黒条は並行で、先が尖っていない。
 #J018 クサカゲロウ科の幼虫(クサカゲロウ科)  #J018−1 クサカゲロウ科の幼虫(クサカゲロウ科)
 撮影F7:2007/05/11 温泉津町  撮影F7:2009/05/24 温泉津町
 #J004−1 クサカゲロウ科の卵(クサカゲロウ科)  J015 ラクダムシの幼虫(ラクダムシ科)
 撮影F7:2007/10/26 温泉津町  撮影F7:2008/01/30 温泉津町 
 卵は、別名ウドンゲと呼ばれています。  体長8〜10mm、開帳15〜20mm。幼虫は、マツやスギの樹皮下で生活し、この姿で越冬します。日本でラクダムシ科は、本種1種のみです。


カゲロウ(カゲロウ目)
 H035 チラカゲロウ亜成虫(ヒトリガカゲロウ科)  H047 マエグロヒメフタオカゲロウ亜成虫(フタオカゲロウ科)
 撮影C:2004/08/22 温泉津町福光  民家k壁  撮影D:2005/04/01 温泉津町
 茶褐色のトンボの様な体に黒い複眼、透明感のある肢と2本の尾。カゲロウとは断定できますが、翅がハグロトンボの様に黒いものは図鑑に載っていませんでした。突然ですがカゲロウは蛹(さなぎ)になりません。水中にいる幼虫時期(1〜2年)に珪藻や昆虫を食べて育ちます。次に陸に上がる過程で、一回羽化をします。この過程の形態を亜成虫(あせいちゅう)と呼んでいます。後もう一度羽化をして成虫になります。成虫の翅は透明または薄い半透明で、図鑑にはこの成虫の写真が載っています。亜成虫の翅は不透明と記述があるのみで、色までは分かりません。頭部,腹部,肢,尾の色形でチラカゲロウと同定しました。
●チラカゲロウ:体長16〜18mm、前翅長17〜20mm、尾の長さ30〜35mm。大型のカゲロウ。年に春と秋に成虫として2回発生。
<似た仲間>ナミフタオカゲロウ:体長13〜16mm、前翅長12〜15mm、尾の長さ18〜20mm。
 全体はくすんだ焦げ茶色で、翅もくすんだ焦げ茶色のマダラ模様に見えます。尾は2本確認できます。前翅の前縁に黒い斑紋が密集していますからマエグロヒメフタオカゲロウの亜成虫の様です。この仲間は3月頃から羽化して亜成虫になり、1日ぐらいで再度脱皮して透明な翅をもつ成虫になります。その後1日〜2日ぐらいで死んでしまいます。
 J016(旧番H047-1)クロタニガワカゲロウ(フタオカゲロウ科)  H050 シロハラコカゲロウ(コカゲロウ科)
 撮影C:2007/03/31 大田市大森町  撮影D:2005/04/01 温泉津町
2009.06.01クマジロウ氏の助言から、クロタニガワカゲロウと同定しました。  体長5〜7mm。日本の河川で普通に見られる種類です。コカゲロウの特徴は腹部が中央から前に透明なところです。複眼と胸部は黄色から橙色をしています。写真の胸部が黒いのは、脱皮した殻が付いているからです。翅は透明で、後翅は小さく、退化したものもいます。
 #H050−1 (科)  #H050−2 (科)
 撮影F7:2007/04/10 温泉津町  撮影F7:2007/04/10 温泉津町
 2009.06.01名前訂正
クマジロウ氏から、サホコカゲロウではと指摘されています。
「腹部側面に黒い斑点があるのでシロハラコカゲロウではないと思います。サホコカゲロウなどいくつか候補が挙げられます。」
 2009.06.01名前訂正
 J003 ガガンボカゲロウ(フタオカゲロウ科)  #J005 カゲロウの一種(コカゲロウ科)
 撮影F7:2007/06/01 温泉津町西田  撮影D:2005/05/07 温泉津町
 体長約15mm。尾が3本で肢が長いカゲロウです。各腹節側面に斜め後上に伸びる褐色スジが見られます。写真から分かりませんが、後翅が退化していてありません。  
 J020 モンカゲロウ(モンカゲロウ科)  J019 カゲロウの仲間(科)
 撮影S10:2010/05/06 相模原市  撮影S10:2010/05/06 相模原市
 体長20〜25mm。全体は黄褐色、胸部背は濃い褐色で、腹部の各節に斜め下前方に走る黒条が見られ、翅の中央に名にある褐色紋があります。前肢と3本の尾角は濃く褐色し、中肢と後肢は淡い灰黄色をしています。写真の触角の様に見えるものが長い前肢です。前肢の長いのが♂で、♀は短いようです。  翅(はね)の色からすると亜成虫かもしれません。
亜成虫:カゲロウの仲間は、蛹の形態をとらずに一度成虫に似た姿になります。その姿から最後に短期間(半日〜2日)に脱皮して成虫になります。この成虫に似た姿を亜成虫といいます。亜成虫は、翅を含め全体に雲った色をしていて、弱々しく飛ぶことができます。掴(つか)まることのできない水面から飛び立つための進化かもしれません?
注:水面ではなく、地上に這い上がって羽化する種もいます。

■くまじろう さんからの情報 2010.05.09 16:55
#J019のカゲロウの仲間は、シロタニガワカゲロウのメスの亜成虫だと思います。春から秋まで、コンスタントに出てきますね。


トビケラ
トビケラ目
 J001,−1 ヒゲナガカワトビケラ(ヒゲナガカワトビケラ科)  #J001−2,−3 ヒゲナガカワトビケラ(ヒゲナガカワトビケラ科)
 撮影S10:2010/05/17 横浜市  撮影F7:2007/03/20 温泉津町
 体長12〜20mm、開張27〜48mm。ヒゲの長いガを思わせる印象です。ヒゲの長さは体長以上あります。 ■幼虫は水中に生活し、流れのある場所に生息していて、小石や砂粒で巣を作り、近くに網を張って引っ掛った藻や落ち葉を食べます。


カワゲラ
カワゲラ目
 J012 (オナシカワゲラ科)  #J012−1 (オナシカワゲラ科)
 撮影F7:2008/04/30 益田市匹見町  撮影F7:2008/04/30 益田市匹見町
2009.06.01科名訂正
クマジロウ氏指摘により、カワゲラ科からオナシカワゲラ科に訂正
 J002 (カワゲラ科)  
 撮影C:2007/06/01 温泉津町西田  


資料
<同じような姿をしている種類>
■アミメカゲロウ目>ヒロバカゲロウ科,ウスバカゲロウ科,クサカゲロウ科,ツノトンボ科
■ヘビトンボ目>ヘビトンボ科,センブリ科(2科)
■カゲロウ目>トビイロカゲロウ科,カワカゲロウ科(13科)
■カワゲラ目>アミメカワゲラ科,カワゲラ科(9科)
■トビケラ目>トビケラ科,ヤマトビケラ科,カワトビケラ科(27科)
■シリアゲムシ目>シリアゲムシ科
これらは種類の割りにメジャーでないようです。福光村では、カゲロウ,ガガンボ,変なトンボなど数種の名前でしか呼ばれていません。
 
 


[注]撮影F7:FUJIFILM FinePix−S7000, 撮影C:OLYMPUS C−750UZoom, 撮影D:KONIKA MINOLTA DiMAGE−Z3

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