福光村・昆虫記リスト
植物 (昆虫の食べる植物)

昆虫が食べる植物その他
 #A003 カラムシ(イラクサ科)   #A004 イヌビワ(クワ科>イチジク属)
 撮影C:2004/07/18  温泉津町吉浦  吉浦牧場入り口   撮影C:2004/07/18  温泉津町福光  山道 
 野原や道端で普通に見かける植物で、背丈は1〜2mに成長します。葉の裏は灰白で細かい毛が生えています。茎は繊維が多く頑丈で、木質化します。繊維が多いので昔は編布(織布とは別)の材料にされたそうです。現在は他の繊維に混ぜて利用されているそうです。名前の由来は布にする繊維を、茎を蒸して取っていたことから、茎(から)蒸(むし)と呼ばれるようになったそうです。花は目立たず、葉の後ろの方に白い花を咲かせます。似た仲間にイラクサ科のヤブマオ、アオミズがあります。
■カラムシを食べる昆虫> K014:ラミーカミキリ,C039:ヒメアカタテハ幼虫,アカタテハ幼虫,フクラスズメ幼虫
 ビワの実に似ていることから名付けられているそうですが、枝を折ると無花果(いちじく)と同じ様に白い汁がでますし、実を割った中身は無花果そのものです。イヌビワはイチョウの様に雌雄異株(しゆういしゅ)で、雄木(おぎ)と雌木(めぎ)に分かれています。同じ様な実(花嚢:かのう)をつけますが、雄木の実には雌しべと少しの雄しべがあり、雌木には雌しべしかありません。実を付ける時期にも違いがあり、雄木が春、雌木が夏頃です。
■イヌビワを食べる昆虫> C042:イシガケチョウ,K056:キボシカミキリ,イヌビワと共生関係にある昆虫:イヌビワコバチ
イヌビワコバチ:無花果の仲間には、共生関係にある昆虫がいます。無花果はイチジクコバチ、イヌビワはイヌビワコバチです。先に書いた様にイヌビワは雄木と雌木に分かれ、時期をずらして少し違った実を付けますし、イヌビワコバチも翅がある♀と翅がなく飛べない♂がいて、共生関係にも神が創った不思議なドラマがあるようです。
 A042 クズ(マメ科クズ属)  #A042−1 クズ(マメ科クズ属)
 撮影F7:2006/10/03  撮影F7:2007/09/08 
 根は太く多量のデンプンを含み、葛粉(くずこ)がとれます。有名な吉野葛は、15cmぐらいの極太の根からつくられます。材料根の20〜25%がデンプンだそうです。 葛粉の造り方:根を切り刻んで水に浸し、揉み洗いして植物繊維から十分デンプンを出させます。しばらく置いて、デンプンを沈殿させます。上澄を捨て白くなるまで水洗い,沈殿,上澄とりを繰り返して精練します。真っ白になったところで乾燥させて完成です。
 A036−1 カタバミ(カタバミ科>カタバミ属)  A036−2 カタバミ(カタバミ科>カタバミ属)
 撮影C:2007/04/28  温泉津町福光  撮影C:2007/07/28  温泉津町福光
 茎は地を這い枝分かれし、立ち上がってハート形の3枚の小葉を付けます。花も地から立ち上がった茎に直径8mm,5弁の黄色い花を咲かせます。茎,葉にシュウ酸を含み酸味があります。 ■名の由来:漢字で傍食(かたばみ)と書き、一方が欠けていることを表し、葉の形からこの名が付けられています。
■カタバミを食べる昆虫>C002:ヤマトシジミの幼虫
 #A005 ヤマハギ(マメカ科>ハギ属)  #A041−1 ハギ(マメカ科>ハギ属)
 撮影C:2004/08/19 温泉津町福光 民家k庭
 ハギの種類の中に、単にハギと名付けられているものはないそうです。種類:ヤマハギ,ニシキハギ,ツクシハギ,キハギなど、日本でマメ科ハギ属に11種類あることが知られています。
■ハギを食べる昆虫> C008:ルリシジミ,C010:キチョウ
 A018 アラカシ(ブナ科>コナラ属)  A007 クヌギ(ブナ科>コナラ属)  [拡大
 撮影C:2005/11/05 邑智郡邑南町井原 断魚渓  撮影C:2004/08/19 温泉津町福光 民家k裏山
 中国地方では山地で普通に見かけるドングリの木です。常緑高木で10〜20mの高さがあります。木肌は闇灰色から暗い緑色をしています。葉は楕円形で、7〜15cmの長さがあり、上部半分の縁に鋸歯状のギザがあります。ギザの形は変異多く、シラカシの様に縁が波状であったり、アカガシの様にギザが全然無い葉もあるそうです。葉の表は光沢があり、裏は灰白の短い毛が密に生えています。
■葉や樹皮を食べる昆虫:ハマキムシ,サラサヒトリ,カミキリムシ
■堅果(けんか)=ドングリ:実の皮が木質で堅い果実。
ボウシの横縞は6〜7本,大きさ15〜20mm,形は上部が膨らんだ長楕円型,どんぐりに明瞭な縦縞が見られる。
 山地に生える落葉高木。高さ10〜16m。樹皮は深くひび割れごつごつしています。葉は楕円で、縁が鋸歯状です。クヌギの実(ドングリ)は他のコナラ,ミズナラのドングリに比べ丸いのが特徴です。樹液が甘く、オオクワガタ,ヒラタクワガタ,ミヤマクワガタ,コクワガタなどほとんどのクワガタがこの木の樹液をなめに集まります。
■名の由来:クリに似ている木(栗似木)からクヌギになったそうです。
 A048 ヨモギ()  
   
 #A010 セイヨウタンポポ(キク科>タンポポ属)  #A010−1 セイヨウタンポポ(キク科>タンポポ属)
  撮影D:2005/04/03 浜田市  撮影D:2005/04/20 温泉津町
 ヨーロッパ原産の帰化植物で、キク科>タンポポ属の多年草です。頭花径は3.5〜5cm、全体の高さ10〜25cm、葉の切れ込み込みは深いです。本種の花は1年を通して見られます。 ■タンポポを食べる昆虫>C035:カノコガ,C044:シロヒトリ,カラスヨトウ,その他ガの幼虫
 #A030 ヒゴスミレ(スミレ科>スミレ属)  #A030−1 エイザンスミレ(スミレ科>スミレ属)
 撮影C:2005/05/08 大田市 大江高山  撮影C:2005/05/08 大田市 大江高山
 #A029 スミレサイシン(スミレ科>スミレ属)  #A029−1 スミレサイシン(スミレ科>スミレ属)
 撮影C:2005/05/08 大田市 大江高山  撮影C:2005/05/08 大田市 大江高山
 A022 コケイラン(ラン科>コケイラン属)  A023 チゴユリ(ユリ科チゴユリ属)
 撮影C:2005/05/08 大田市 大江高山  撮影C:2005/05/08 大田市 大江高山
 A026 ミヤマカタバミ(カタバミ科>カタバミ属)  #A026−1 ミヤマカタバミ(カタバミ科>カタバミ属)
 撮影C:2005/05/08 大田市 大江高山  撮影C:2007/03/31 大田市大森町
 A033 ヤマブキ(バラ科>ヤマブキ属)  A034 エンレイソウ(ユリ科>エンレイソウ属)
 撮影C:2007/03/31 大田市大森町  撮影C:2007/03/31 大田市大森町
ヤマブキ:バラ科>ヤマブキ属,花は黄色に近いオレンジ色の5弁花
シロヤマブキ:バラ科>シロヤマブキ属,花は白の4弁花
ヤエヤマブキ:バラ科>ヤマブキ属,花は黄色八重の花
キクザキヤマブキ:バラ科,キクの様に細く黄色い7〜8弁花
■延齢草(エンレイソウ):3枚の外花被片は緑色から褐紫色で卵型楕円,内花被片は一般には付けません。
■シロバナエンレイソウ(別名:ミヤマエンレイソウ):3枚の外花被片は緑色で先が針状に尖っています。
 A008 ワサビ(アブラナ科>ワサビ属)  A013 ミヤコアオイ(ウマノスズクサ科>カンアオイ属)
 撮影F:2003/07/12 温泉津町湯里 山中小川そば  撮影C:2005/05/08 大田市 大江高山登山口
 山深い谷沿の清流に生える多年草です。一見ユキノシタとか小さなフキに見えます。野生のワサビとはどんな味がするのでしょうか、食べてみたいです。花は十字形の白い花で、アブラナ科なので大根の花とかナノハナに似ています。ワサビを食べる昆虫を調べて見ました。葉っぱも辛いはずなのに、どこの世界にも辛いもの好きはいるみたいです。
■ワサビを食べる昆虫>モンシロチョウ(C043),スジクロチョウ,コナガ,カブラハバチ(H018)それぞれの幼虫,ワサビクダアザミウマ。
●ワサビクダアザミウマ:島根県と広島,山口県で、ワサビの根っこから葉っぱまで食べる害虫として知られています。昭和42年に島根県美濃郡美都町で発見されたアザミウマの一種で、世界的にもこの地域にしかいないそうです。現在広島県と山口県まで生息域を広げてしまいましたが、他に拡大しないことを祈ります。アザミウマの名の由来は、アザミの花に付き、細長く馬面をしているからだそうです。
 寒葵(カンアオイ)は地方ごとに分類され、呼び名が違います。またミヤコアオイとか、ミヤコカンアオイとか寒(カン)を入れたり入れなかったり2つの名で呼ばれています。寒葵と呼ばれている理由は寒い冬でも枯れずに青いことからカンアオイと呼ばれています。
■大江高山に自生(じせい)するカンアオイの種類を調べてみました。
中国地方中東部:都葵(ミヤコアオイ)<ネット調べ>
中国西部〜九州,四国:サンヨウアオイ,タイリンアオイ<ネット調べ>
その他:二葉葵(フタバアオイ),薄葉細辛(ウスバサイシン),乱葉葵(ランヨウアオイ)<図鑑調べ>
調べた結果ミヤコアオイの様な気がします。
★最終的に写真を、島根県立 三瓶自然館の担当者の方に確認してもらいました。ミヤコアオイ(平凡社植物図鑑での名)でよいそうです。
■二葉葵:水戸黄門に出てくる三つ葉葵の紋は、この葉の図柄を組み合わせたものだそうです。(葉を2枚付けて成長することから、京都の賀茂神社で神事に用いられていた。加茂明神を信仰する人がこれを紋とし、三河の松平家が元々賀茂神社の神官の出だったことにより、葵の紋を家紋にした。松平から徳川に名が変わり、徳川家康は幾つかの家紋の中で三つ葉葵の家紋を選び、この家紋を権威あるものとした。二葉が三つ葉になった理由は、確定的なことは分からず諸説ある。)
■カンアオイを食べる昆虫>ギフチョウの幼虫(C081−1)


虫えい/虫こぶ
 #A032 クヌギハケタマフシ(虫えい/虫こぶ)  #A032−1 クヌギハケタマフシ(虫えい/虫こぶ)
 撮影F7:2006/09/20 相模原公園  撮影F7:2006/09/20 相模原公園
 卵の様に見えますが、クヌギの葉に付いているクヌギハケタマフシという(ちゅうえい)です。は別名虫こぶとも呼ばれます。この中にはクヌギハケタマバチの幼虫が住んでいて、幼虫の出す分泌物でクヌギの葉が異常発育して、この様な卵とかドングリの様な形になります。クヌギハケタマバチは春クヌギの葉に卵を産み付けて、写真のを作りますが、夏の時期に産卵するものはクヌギの雄花に産卵し、クヌギハナカイメンフシという肥大した球形綿状のを作ります。
●クヌギハケタマフシ: 寄生>クヌギハケタマバチ(葉)
●クヌギハナカイメンフシ: 寄生>クヌギハケタマバチ(雄花)
●クヌギエダイガフシ: 寄生>クヌギエダイガタマバチ(枝)

■ゴール: 植物体内に虫が寄生したり、植物自信の問題により組織が異常発育して、瘤(こぶ)状になったものを区別なくゴールといい、最近は虫が関係するものだけを(ちゅうえい)または虫こぶといいます。


潜葉虫が食べた葉
 #A037 ヤマイモの葉   #A037−2 クズの葉
 撮影F7:2007/08/26 相模原公園  撮影F7:2007/10/17 温泉津町



【植物の資料】
◆用語
1.裸子植物(らししょくぶつ):種が皮に被われず裸。シダ,ソテツ,イチョウなど。
2.被子植物(ひししょくぶつ):種が皮で被われている。単子葉植物,双子葉植物の2種に分かれる。
3.単子葉植物(たんしようしょくぶつ):被子植物の一綱、種から出る子葉は1枚、葉に平行の葉脈。茎や根には形成層がなく、茎に維管束が沢山分散して見られ、根はひげ根。花は3の整数倍枚数の花弁とがくからなる。イネ科植物,ラン,ユリなど。
4.双子葉植物(そうしようしょくぶつ):被子植物の一綱、種から出る子葉は2枚、葉に網状の葉脈。茎や根には形成層があり、茎に維管束が中心に見られ、根は主根と側根からなる。花は4枚または5枚で、他にその倍数の花弁とがくからなる。
5.自生(じせい):人の手によって育てられた栽培ものでなく、自然に生えたものをいう。
 

[注]撮影:又は撮影F:FUJIFILM FinePix−F410, 撮影C:OLYMPUS C−750UZoom, 撮影D:KONIKA MINOLTA DiMAGE−Z3

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