ホタル,ジョウカイボン 福光村・昆虫記リスト種類別 甲虫 種類別リスト
甲虫8(鞘翅目:しょうしもく/コウチュウ目) K8 ホタルジョウカイボン
ホタル
 K038 オバボタル(ホタル科)  #K038−2 オバボタル(ホタル科)
 撮影C:2004/06/06  温泉津町福光  畑そば  撮影C:2006/06/29 09:38 浜田市国分町 石見海浜公園
 体長7〜12mm。全体は真っ黒で、上翅は微毛で被われ光沢がありません。胸部背に橙または赤い1対の紋があります。オオオバボタルと似ていますが、本種は大きさが小さいです。この成虫には発光器が退化してありません。しかし幼虫には発光器があるそうです。昔は成虫にも発光器があって、別の手段で♀をゲットできる方法に変わってしまったことから、成虫になる過程で失われたのだと思います。人間でも体内の赤ちゃんは古い哺乳類の経過を示す部分が1度つくられ、体内での成長過程で不要な部分はなくなるそうです。
 成虫は昼間花に集まります。♂♀の出会いもあるようで、このへんが夜活動しなくてもよくなり、発光器が退化した原因かもしれません。
■幼虫に発光器がある理由
 中央アメリカから南アメリカに住むヒカリコメツキには、成虫にも幼虫にも発光器があります。幼虫の発光器の役割は、発光器から光りを発して、光に寄って来る羽アリを集めることで、当然このコメツキはこの羽アリを食料として食べます。(NHKテレビ番組より)
 このコメツキ同様オバボタルの幼虫も光に寄って来る虫を捕らえるために発光器が備わっていると考えられます。
 #K038−1 オバボタル(ホタル科)  #K044−1 ゲンジボタル(ホタル科)
 撮影C:2006/06/29 09:37 浜田市国分町 石見海浜公園  撮影S10:2009/05/14 温泉津町
 K044 ゲンジボタル(ホタル科)  K064 ヘイケボタル(ホタル科)
 撮影S10:2009/05/14 温泉津町  撮影C:2004/07/17  温泉津町福光 田んぼ 
 体長♂14〜15mm♀19〜21mm。前胸部背中央に黒い鍵穴模様がありますからゲンジボタルと分ります。ヘイケボタルは1本の直線に見えます。またゲンジボタルの方が1.5倍以上大きいです。幼虫は水の中で生活し、カワニナ(巻貝)を食べます。種によって発光色と点滅回数が異なるそうです。ゲンジボタルの発光色は緑色(波長=544nm)で、1分間の点滅回数は東日本で16回、西日本で30回ぐらいだそうです。
■ホタルの発光:@発光物質ホタルルシフェリンは、ホタルルシフェラーゼと言う発光酵素とマグネシウム(Mg2+)を触媒として、アデノシン3リン酸(ATP)と反応して、新しい物質Aに変化します。A物質Aに再びルシフェラーゼが作用して酸素(O2)と反応すると新しく物質Bに変化します。B物質Bが二酸化炭素(CO2)を放出して、励起状態の物質Cに変化します。C励起状態の物質Cが安定化する過程で、光が放出されます。とのことですが反応過程を説明されても、私を含め何を言っているのか分らない人へ >>私なりの解釈  
 体長♂7〜10mm、♀10〜12mm。ゲンジボタルに似ていますが、胸部背の黒いスジが太く直線的なので、ヘイケボタルです。幼虫はカワニナ,モノアラガイ類を食べます。ライトの明かりが明るくて分りませんが、お尻から光を放っている時だそうです。
■モノアラガイ:殻径19mm前後、殻高24mm前後。半透明の淡水に住む右巻きの巻貝。雌雄同体で、6月頃産卵する。最近水草に付いて観賞用水槽内に進入し、餌のカスを食べて繁殖しているそうです。
 #K044−2,−3 ゲンジボタル(ホタル科) 左:♀, 右♂  K249,−1 ムネクリイロボタル(ホタル科)
 撮影S10:2009/05/25 温泉津町  撮影S10:2009/05/14 温泉津町
 ♂は腹節の端2節が発光し、♀は腹節の端は発光しないピンク色で、その前隣りの1節のみが光るみたいです。  体長6.0〜8.5mm。小さなホタルです。上翅は黒く、少し光沢があり、シワ状です。前胸部背は橙褐色していて、この色が栗色だからこの名なのだと思います。♂の触角には小さな枝が見られます。上の写真にも見られますので♂と思います。幼虫は水中でなく、陸上で生活します。


ジョウカイボン
 K271 アオジョウカイ(ジョウカイボン科)  #K271−1 アオジョウカイ(ジョウカイボン科)
 撮影S10:2010/05/06 相模原市  撮影UX7:2010/05/12 横浜市青葉区
 K020 キンイロジョウカイ(ジョウカイボン科) [拡大  K045 ジョウカイボン(ジョウカイボン科) [拡大
  撮影C:2004/05/16  温泉津町福光 林道  撮影C:2004/05/15  温泉津町福光  民家k庭
 体長20〜23mm。カミキリムシに似ていますが、ジョウカイボンと言う種類です。胸部の黄色い模様が特徴です。上翅は黒紫又は紺色に茶褐色が混じった色で光沢があります。地方によっては茶色っぽい緑色をしているそうです。触角,上翅の先,足先が茶色または黄色です。
■ジョウカイボンとカミキリムシの違い:カミキリムシは草木を食べますが、ジョウカイボンは昆虫や小動物なども食べる雑食性です。カミキリムシの上翅は硬いですが、ジョウカイボンは柔らかいです。ジョウカイボンはホタルに近い仲間だそうです。
■ジョウカイボンの名の由来:一説として、肉食性で強そうなところが平清盛の印象であるとされ法名、淨海坊(じょうかいぼう)から付けられたと言われたり、清盛が高熱の病気で亡くなったことと、昔の呼び名の火虫と関連づけた説があります。古くは西遊記に出てくるサゴジョウも法名を淨海坊といいます。淨海坊と言う法名は清盛1人についている名ではないようです。
 体長15〜20mm。よく見かけるタイプは足先が黄色いですが、写真は黒いです。上翅の色は、全てが茶色いタイプ、茶に背中央と端が黒いタイプがいるようです。全てが黒色,濃い青色,紫色,黄色または薄い茶色は、別の種類のジョウカイボンになります。カミキリムシと違って上翅が柔らかく、雑食性です。成虫は花の蜜や、昆虫を捕らえて食べます。 
 #K045−1,−2 ジョウカイボン(ジョウカイボン科)  #K045−3,−4 ジョウカイボン(ジョウカイボン科)
 撮影C:2004/05/15 温泉津町福光  撮影F7:2009/05/10 温泉津町福光
 上の写真は、肢全体が黒いです。ジョウカイボンは上翅と肢の色の変化が多いとされています。  こちらの写真は、フ節と脛節の一部が黄褐色している、一般に図鑑に載っているタイプです。
 #K045−5 ジョウカイボン(ジョウカイボン科)  #K045−6 ジョウカイボン(ジョウカイボン科)
 撮影S10:2010/05/06 相模原市  撮影S10:2010/05/06 相模原市
 K229 ジョウカイボンの仲間(ジョウカイボン科)  #K229−1 ジョウカイボンの仲間(ジョウカイボン科)
 撮影F7:2009/04/09 神奈川県横浜市青葉区  撮影F7:2009/04/09 神奈川県横浜市青葉区
 HP.管理人が「寺家ふるさと村」に花見に行って直接撮影しました。図鑑に載っている上翅の模様からセスジジョウカイやイシハラジョウカイ,ヒメジョウカイなど比べて見ましたが、なんとなく違う様に思われます。  
 K294 ウスチャジョウカイ(ジョウカイボン科)  #K294−1 ウスチャジョウカイ(ジョウカイボン科)
 撮影S10:2011/05/14 横浜市緑区  撮影S10:2011/05/14 横浜市緑区
 体長約11.5mm、11〜13mm。胸部背が赤褐色、上翅は普通褐色ですが、以前フタイロジョウカイと呼ばれた色彩変異の種は黒色をしています。肢は黒色をしています。 ■保育社原色日本昆虫図鑑Vに、前胸背板の長さは幅の1.1倍と記されている。
 K101 ヒメジョウカイ(ジョウカイボン科)  #K101−1 ヒメジョウカイ(ジョウカイボン科)
 撮影C:2005/05/08 温泉津町井田  撮影C:2005/04/28 温泉津町福光 不言城址上り口
 体長8〜10mm。上翅の会合部側と外側が黒色で、その間が黄褐色をしているのが特徴です。図鑑には肢はフ節が闇色で、それ以外は黄褐色と記述してありました。しかし写真は、腿節の半分が黄褐色で、それ以外は黒く見えます。頭部中央のへこみなど数箇所を考慮してヒメジョウカイと同定しました。  
 #K101−2 ヒメジョウカイ(ジョウカイボン科)  K210 クビボソジョウカイ(ジョウカイボン科)
 撮影C:2008/05/01 温泉津町井田  撮影EOS:2008/04/30 浜田市 石見海浜公園
 似た仲間:セスジジョウカイ 特徴不明
 少し似た仲間:ニセヒメジョウカイ
 体長9〜12.2mm。前胸部背が黄褐色で、全体に色彩変化が多いそうです。
 K278 ウスイロクビボソジョウカイ(ジョウカイボン科)  K279 不明(ジョウカイボン科)
 撮影S10:2010/05/06 相模原市  撮影S10:2010/05/06 相模原市
 体長8〜9mm。全体は淡い黄褐色で、前胸部背に2本括弧状の黒紋があり、頭部後方が黒いです。  
 K112 シコククビボソジョウカイ(ジョウカイボン科) [拡大  K211 不明(ジョウカイボン科) 
 撮影C:2005/05/30 温泉津町福光  撮影F7:2007/05/**
 体長10〜11mm。肢や触角を含め全体が真っ黒く見え、胸部背面が赤茶色で、上翅は黒一色で闇褐色の毛が生えています。図鑑には四国に分布とあり、本州西の島根にはいない種とされていました。触角の第2節と3節の長さ,肢の色などから最終的に分布以外の条件で、シコククビボソジョウカイと同定しました。
<似た仲間>
●ウスチャジョウカイ,ムネアカクロジョウカイ,クビアカジョウカイ:
Athemellus種の触角第2節と3節の長さには特徴があり、拡大写真からこれらの種でないことが分かりました。
 触角第1〜3節 A:Athemellus種 B:クビボソジョウカイ
△ムネアカクロジョウカイ:前胸背板の長さが幅より長い(写真は逆)
×クビアカジョウカイ:前胸背板はほぼ正方形
×ウスチャジョウカイ:前胸背板はほぼ正方形

 K158 セボシジョウカイ(ジョウカイボン科)  #K158−2 セボシジョウカイ(ジョウカイボン科)
 撮影F7:2006/06/10 町田市  撮影F7:2007/06/22 町田市
 前胸背中央に黒い紋がありませんが、セボシジョウカイと思います。
●セボシジョウカイ:体長約10mm。全体は赤っぽい黄色で、前胸部背中央後に黒い縦紋があり、頭頂にも黒紋があります。しかし、写真のものの頭頂に、黒紋がないことを確認しています。前胸部背中央から後方の正中が窪み、中央から左右後方斜めに隆起しています。
 ★2009.07.02撮影場所訂正
 #K158−3 セボシジョウカイ(ジョウカイボン科)  #K158−4 セボシジョウカイ(ジョウカイボン科)
 撮影S10:2010/05/14 町田市  撮影S10:2010/05/14 町田市

その他資料
ホタルの発光
 原子の世界では、原子が大きなエネルギーをもらうと原子核の周りを回る電子が外の軌道に移ります。この現象を励起(れいき)と言います。電子は移った場所(軌道)は安定したところでないため再び元の位置(軌道)に戻ろうとします。この時もらったエネルギーを光子(光)として放出します。この現象を励発(れいはつ)と言います。ホタルはホタルの中で作られる発光物質と酵素の化学反応で、大きなエネルギーを使うことなく電子の軌道移動(励起)ができるようです。最近話題の有機EL(エレクトロルミネッセンス)も高分子素材から少ないエネルギーで光子(光)を放出することができます。次世代テレビの発想は、ホタルを参考にしたのかも知れませんね?

◆2015/07/30追記:ホタルの発光原理に新説、余剰電子が関与 60年越しの謎を解明へNationalGeographicNews

[注] 撮影F7:FUJIFILM FinePix−S7000, 撮影C:OLYMPUS C−750UZoom, 撮影D:KONIKA MINOLTA DiMAGE−Z3

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