福光村・昆虫記リスト
キリギリス・コオロギ・カネタタキ・ケラ(直翅目:ちょくしもく/バッタ目)
バッタ,イナゴ
バッタ
キリギリス・ツユムシ
  B001 ヤブキリ♀1(キリギリス科)  [拡大  B001b ヤブキリ♂幼虫
2Page  後部拡大
 撮影F:2003/08/10 温泉津町福光  撮影C:2005/04/22 温泉津町
 体長♂30mm,♀40mm。産卵管が短いのは、折れてしまったからのようです。  
 #B001−1 ヤブキリ♀(キリギリス科)  #B001−2 ヤブキリ♀(キリギリス科)
 撮影F:2003/07/22  温泉津町福光  撮影S10:2010/06/29 相模原市
 キリギリスに似ていますが、後肢腿節が前翅を越える長さにありませんからヤブキリです。またキリギリスの様に産卵管が下に湾曲せずストレートに延びています。  
 B009 キリギリス♀(キリギリス科)  [拡大  #B009−1 キリギリス♀(キリギリス科)
 撮影F:2003/09/14 温泉津町福光  撮影F:2003/09/14 温泉津町福光
 ヤブキリと良く似ています。
■キリギリスと判断した理由:(拡大写真から判断)
1.後肢を伸ばしてその腿節の端が前翅の端より長い。ヤブキリの翅は伸ばした腿節の端を越えます。キリギリスは越えることがないそうです。
2.産卵管が下向きに反っている。ヤブキリは真っ直ぐのストレート。
■後肢部分の呼び名
1.腿節(たいせつ):後肢の付け根の関節から最初の関節までの部分
2.脛節(けいせつ):腿節から次の関節までの脛(すね)の部分
3.フ節:脛節と爪の間の部分  4:爪
 体長38〜47mm、全長50〜59mm。体色は緑色のタイプと褐色タイプがいます。前翅の背が特に濃い褐色をしています。幼虫は植物の葉や、花粉を食べます。成虫は植物の葉や、昆虫を捕食します。
♪♪ギーッチョン・ギーッチョンと鳴きます。
 #B009−2 キリギリス♂(キリギリス科)  #B009−3 キリギリス♂(キリギリス科)
 撮影C:2004/07/06 温泉津町福光  撮影C:2005/07/07 温泉津町福光
 #B009−4 キリギリス幼虫(アリとキリギリス)  似た仲間の産卵管 
 撮影X:2006/05/14 温泉津町今浦   −
 B004  ヤマクダマキモドキ♂(キリギリス科)   B005  サトクダマキモドキ♀(キリギリス科)   
 撮影F:2003/08/28  温泉津町福光  撮影F7:2005/09/05  温泉津町
 全長42〜58mm、体長♂25mm前後、♀40mm前後。
前肢の付け根から関節まで赤茶または茶褐色。山地に住む
 全長42〜58mm、体長♂25mm前後、♀40mm前後。前肢の付け根から関節まで緑色で、畑地,住宅地に住みます。♀は上に反り返った鎌の様な産卵管をもち、これで木の枝を裂いて卵を産み付けます。
 #B005−1 サトクダマキモドキ(キリギリス科)  #B005−2 サトクダマキモドキ(キリギリス科)
 撮影S10:2009/09/03 温泉津町  撮影S10:2009/09/03 温泉津町
 #B005−3 サトクダマキモドキ(キリギリス科)  B005−5 クダマキモドキ幼虫(キリギリス科)
 撮影C:2003/08/29  温泉津町福光  撮影C:2005/05/30 温泉津町福光
 クダマキとはクツワムシの別名だそうで、クツワムシに似たキリギリスの仲間と言うことになります。前肢の付け根から関節までの間が緑色なのがサトクダマキモドキと呼ばれ、赤茶または茶褐色なのがヤマクダマキモドキと呼ばれています。  腹部縦方向の膨らみがなく、胸部から腹部横に黒い筋がありますからクダマキモドキの幼虫と同定しました。
 #B005−6 クダマキモドキ♀(キリギリス科)[拡大  #B005−7 クダマキモドキ♂(キリギリス科)
 撮影S10:2012/10/09 温泉津町井田  撮影S10:2012/10/09 温泉津町井田
 #B005−6b クダマキモドキ♀(キリギリス科) ぬり絵  #B005−6c
 B050 ヒメクダマキモドキ(キリギリス科)  #B050−1 ヒメクダマキモドキ(キリギリス科)
 撮影S10:2012/10/09 温泉津町小浜  撮影S10:2012/10/09 温泉津町小浜
 #B022−1 クダマキモドキの仲間の幼虫(キリギリス科)  #B022−2 クダマキモドキの仲間の幼虫(キリギリス科)
 撮影C:2006/06/28 温泉津町井田  撮影C:2006/06/28 温泉津町井田
 B020 クツワムシ♀(キリギリス科)  B020−1 クツワムシ♂(キリギリス科) [♂の鳴き声 .wav]
 撮影C:2004/08/05 温泉津町福光  撮影C:2004/08/05 温泉津町福光
 全長50〜68mm、体長♂25mm,♀36mm。写真は褐色型ですが、緑色型もいます。クツワムシの♂の前翅は幅広で先がもっと湾曲していました。この写真のキリギリスの♀はあまり湾曲していない様に見えます。クツワムシと同定(どうてい)した条件は、木の葉模様の前翅と、似た仲間のクダマキモドキに褐色型がいないこと、撮影者が近くで鳴いていた♂の鳴き声を録音したことです。
葉っぱに擬態している昆虫ハチに擬態する昆虫
 クツワムシの♂にしては翅に幅がありませんが、鳴き声を録音したそうなのでクツワムシ♂と同定(どうてい)します。
■鳴き声♪♪ガチャガチャまたはガシャガシャ。
■クツワムシの名の由来:クツワムシを漢字で書くと、轡虫と書きます。轡(くつわ)は馬に付ける手綱(たづな)を固定するために口に付ける金具で、轡から出る音が鳴き声に似ているからだそうです。
 #B013−3 ヒメギス♂(キリギリス科)  #B013−4 ヒメギス♂(キリギリス科)
 撮影S10:2011/07/07 相模原市  撮影S10:2011/07/07 相模原市
 B013 ヒメギス♂幼虫(キリギリス科)  #B013−1 ヒメギス♂幼虫(キリギリス科)
 撮影C:2004/05/10  温泉津町福光  撮影C:2006/06/24 大田市三瓶町 三瓶山
 この時期(5月始め)にキリギリスの幼虫です。バッタ類は6月終わりから発生すると思っていました。黒いキリギリスの仲間を調べてヒメギスの幼虫と分りました。全体が黒く胸部横の白い斜めのラインが特徴の様です。ヒメギスの発生時期は6月〜8月だそうです。コバネヒメギスも全体が黒く白い斜めのラインがありますが発生時期が7月からですからヒメギスとして良いと思います。成虫の体長22〜26mm。虫や植物などを食べる雑食性です。♪♪チリッ・ チリッ・と鳴きます。  
 #B035 クサキリ♀褐色型(キリギリス科)  #B035−3 クサキリ♀褐色型(キリギリス科)
 撮影C:2005/08/18 温泉津町福光  撮影S10:2009/08/15 温泉津町
 全長40〜50mm、体長♂25mm前後,♀32mm前後。体色は全体が薄い緑色と褐色したタイプがいます。クビキリギリスに似ていますが頭部先が尖っていません。雑食性で、虫やイネ科植物を食べます。鳴き声は♪♪ジーーーーと長く鳴きます。 ■本種はカヤキリにも雰囲気が似ていますが、大きさがかなり違います。カヤキリは太長で大きいです。またカヤキリの後肢腿節は細く、短いです。
 #B035−1 クサキリ♀褐色型(キリギリス科)  #B035−2 クサキリ♀褐色型(キリギリス科)
 撮影S10:2009/08/15 温泉津町  撮影S10:2009/08/15 温泉津町
 B002  ヒメクサキリ♀(キリギリス科) [拡大  B017 クビキリギリス(キリギリス科)
 撮影F:2003/08/20  温泉津町福光  民家Kそば畑  撮影C:2004/07/06 温泉津町福光  民家k裏庭
 ♪♪ジー  全長58〜64mm、体長36〜41mm。写真には写っていませんが、触角は全長以上の長さがあります。体色は緑色のタイプ,褐色タイプ,ピンク色のタイプがいます。クサキリに似ていますが、複眼から頭部の先が極端に突き出しています。植物や、昆虫を食べる雑食性です。♪♪ジーーと低く鳴きます。成虫で越冬し、春産卵します。
 B018 カヤキリ♂(キリギリス科)  #B018−1 カヤキリ♂(キリギリス科)
 撮影C:2004/07/17  温泉津町福光  撮影C:2005/08/18 温泉津町福光
 名前にあるようにカヤに止まっていました。 全長76〜82mm、体長46〜52mm。体色は全体が薄い緑色のタイプと褐色したタイプがいます。クサキリに似ていますが頭部縦に白いスジが見られます。このスジはカヤのスジに似せているのだそうです。鳴き声は鋭く低く♪♪ジーーと鳴きます。 ■似た仲間>シブイロカヤキリ:全体に褐色で、黒い小さな点が散らばっていて、後肢の腿節が短いです。
■カヤ:イネネ科の多年草、ススキの別名。
 B027 オナガササキリ♀(キリギリス科)  B027−1 オナガササキリ♂(キリギリス科)
 撮影C:2004/08/05 温泉津町福光 草むら  撮影C:2004/10/25 大田市 三瓶山周辺(ススキ原)
 全長25mm前後、体長♀20mm前後。♀の産卵管は特に長く、体長以上あります。ヒゲナガササキリ♀も長いですが、ストレートで、オナガササキリの方が長く少し下に曲がっているそうです。全体は濃い緑色で、背は茶褐色です。雑食性で、虫や植物を食べます。
■♂の鳴き声:夜♪♪ジリ・ジリ・ジリ・ジリ  昼:♪♪シリシリシリ・・・
 体長♂15mm前後。腹部の長さが図鑑で見るより短い気がします。腹部の短さと目の出っ張りからササキリにも見えますが後肢腿節先とフ節部分が真っ黒くありませんからオナガササキ♂と同定(どうてい)します。また住んでいる環境も違いササキリは暗い場所を好み、本種は撮影されたススキ原の様な開けた場所でイネ科の植物によく見かけます。止まっている花は撮影者によりますとウメバチソウと言うそうです。
■ウメバチソウ(梅鉢草):ユキノシタ科の多年草。特徴として一つの茎に1枚の葉と一つの花を付けるそうです。名の由来は花が家紋の中にある梅鉢紋に似ているからだそうです。
 B047−3 ササキリ♀(キリギリス科)  #B047−4 ササキリ♀(キリギリス科)
 撮影F7:2008/07/15 温泉津町  撮影F7:2008/07/15 温泉津町
 体長約20mm。全体は濃い緑色で、翅の両側が黒色をしています。♀の産卵管は付け根部分が下向き、すぐに弱く上に曲がっています。 ♂の鳴き声♪♪ジリジリ
 #B047−5 ササキリ♀(キリギリス科)  #B047−6 ササキリ♂幼虫(キリギリス科)
 撮影S10:2009/09/29 温泉津町  撮影S10:2010/08/09 海老名市
 #B047 ササキリ♂幼虫(キリギリス科)  #B047−1 ササキリ♂幼虫(キリギリス科)
 撮影F7:2008/07/15 温泉津町  撮影F7:2008/07/15 温泉津町
 B049 ウスイロササキリ♀(キリギリス科)  #B049−1 ウスイロササキリ♀(キリギリス科)
 撮影S10:2012/10/09 温泉津町井田  撮影S10:2012/10/09 温泉津町井田
 体長25〜30mm。体は淡い緑色.。世界文化社の生物図鑑・昆虫Tによりますと、腹端から長く出た前翅と後翅の差は大きいそうです。 ■♂の鳴き声:♪♪ジリジリジリ・・・・・
■似た仲間>ホシササキリ:前翅の前寄りに、黒点が並ぶ。
 B011  セスジツユムシ♂(キリギリス科)  #B011−1 セスジツユムシ♂(キリギリス科)
 撮影F:2003/08/28  温泉津町福光  民家K自宅  撮影C:2004/08/19 温泉津町福光
 全長35〜37mm前後、体長♂16mm,♀23mm。♂は前翅の背に濃く褐色したスジがあり、前胸部の背は橙と黄色混じりのスジが見られます。前肢,中肢が褐色し後肢腿節が緑色なのが特徴。♀の背中の筋は薄い黄色で、肢は緑色です。写真の体色は淡い緑色ですが、褐色したタイプもいます。  ■鳴き声♪♪チチチ・・ジーッチョ・ジーッチ 
■似た仲間>エゾツユムシ:北海道,本州関東以北,四国に分布
 B011−2,−3 セスジツユムシ♀(キリギリス科)  #B011−5,−6 セスジツユムシ♂(キリギリス科)
 撮影C:2004/08/19 温泉津町福光  撮影C:2004/08/19 温泉津町福光
 ♀の背中のスジは薄い黄色で、肢は緑色です。♀の産卵管は90度真上にそっくり反っています。  ツユムシの♂に似ていますが、後肢腿節が前翅を越える長さにありませんし、♂の背には濃く褐色したスジがあります。
 #B011−4 セスジツユムシ♀(キリギリス科)  B043 ホソクビツユムシ(キリギリス科)
 撮影F7:2007/10/04 温泉津町  撮影C:2006/06/29 10:07 浜田市国分町 石見海浜公園
   体長35〜38mm。全体は緑色で背が赤褐色から黒褐色し、触角と肢が褐色しています。前翅中央にはしる脈が、赤褐色しているのが特徴だそうです。鳴き声♪♪ジュク・ジュク 2007.10.30名前訂正
 B044 ツユムシ♂(キリギリス科)  #B044−1 ツユムシ♀(キリギリス科)
 撮影F7:2007/10/17 温泉津町  撮影F7:2007/10/17 温泉津町
 全長29〜37mm、体長♂約14mm,♀約18mm。体色は濃い緑色で、♂の背にはぼんやりとした褐色したスジがあり、♀に褐色スジは見られません。産卵管は斜め上に円く曲がっています。
鳴き声♪♪プツ・・・ジッジジジジジィ・・
■HP.管理人がツユムシの写真を見て思ったこと
1.ツユムシとアシグロツユムシはセスジツユムシより後翅が前翅よりかなり長くはみ出している
2.ツユムシ♂の前肢,中肢は関節のみ淡く褐色し、セスジツユムシ♂は前肢,中肢が褐色している。アシグロは一目瞭然、後肢脛節が黒い
3.ツユムシとアシグロツユムシはセスジツユムシより後肢腿節が長く、前翅先端ぐらいか、越えている
4.ヘリグロツユムシはクダマキモドキに似ている
5.セスジツユムシ♂とエゾツユムシ♂は似ていて区別が難しいが、♀に関して、エゾツユムシ♀は後翅が前翅に隠れて見えない
6.ホソクビツユムシの肢は褐色してアシグロツユムシのように見えるが、後翅のはみ出しが少なく、前翅中央に赤褐色した脈がはしる
 B021 ツユムシ♂の脱皮(キリギリス科) [拡大  B022 ツユムシの仲間の幼虫(キリギリス科)
 撮影C:2004/08/19 温泉津町福光 草むら   撮影C:2004/08/19 温泉津町福光 草むら
 見た感じ後翅が前翅より相当長くとび出ています。後肢の腿節(たいせつ)が前翅を越えていますからセスジツユムシではないようです。後肢脛節の色は脱皮直後なので、何とも言えませんがツユムシと判断しました。
■似た仲間>アシグロツユムシ:体長♂15mm、♀16mm。後肢の脛節(けいせつ)が黒褐色。鳴き声♪♪ジキジキ・チィーチィー。
 ツユムシの一種の5,6齢幼虫と思いますが、側面を見ないとはっきり分かりません。見た目の特徴は後肢が長く後肢と前肢の脛節(けいせつ)が褐色傾向にあります。胸部と腹部の背に黄色い筋が見られ、側面に2本以上の黄色い破線の筋が見られます。腹部の形は平ぺったく背が鋭く尖っています。複眼はツユムシの幼虫より大きい気がします。
 B025 アシグロツユムシ♀(キリギリス科) [拡大  #B025−1 アシグロツユムシ幼虫(キリギリス科)
 撮影C:2004/10/03 温泉津町福光  撮影F7:2005/08/02 温泉津町
 体長♂15mm前後、♀16mm前後。触角と後肢腿節(たいせつ)の関節付近と脛節(けいせつ)が黒褐色ですから、アシグロツユムシです。写真からも分かるように触角に黄白の帯があるのも特徴です。写真は上向きの産卵管がありますから♀です。食草は植物全般で、特に決まっていません。鳴き声♪♪ジュキ・ジュキ・・・  触角にある間隔で黄白の帯が確認できますからアシグロツユムシの幼虫です。
 B024 アオマツムシ♀(マツムシ科) [拡大  #B024−1 アオマツムシ若齢幼虫(マツムシ科)
 撮影C:2004/09/02 温泉津町福光 民家k庭  撮影F7:2005/07/22 温泉津町
 体長23〜24mm。写真は全体が写っていません、触角は長く体長以上あります。体色は緑色で、♂の背中は中央が少し褐色しています。中国原産の外来種です。アオマツムシは樹上に生活し、♂は高い所で鳴き♀を誘います。写真は庭に生えるケヤキの木で、高さ2mの所に♀がいました。地表の草むらにいるコオロギやマツムシとは生活している環境も鳴いている場所も違う様で、住み分けがされている様です。今年2004年の都会では、猛暑でアオマツムシが大繁殖しています。アオマツムシは25℃以上の夜活発に活動し、繁殖します。鳴き声も大きく周波数帯域が5KHzで金属音に近いです。コオロギなど2KHz前後なので、掻き消してしまうほどの鳴き声です。
■♂の鳴き声♪♪リー・リーと高く鳴く。本家マツムシ♪♪チンチロリン
 カネタタキの様に見えますが触角が長く黒いことや、腹部も赤黒から黒色ですからアオマツムシの若い幼虫です。この後脱皮すると全体が緑色で、腹部の一部が褐色した成虫に似た幼虫になります。
 B024−2 アオマツムシ♂(マツムシ科)  #B024−3 アオマツムシ♂(マツムシ科)
 撮影C:2005/09/02 温泉津町  撮影C:2005/09/02 温泉津町
 B029−1 カネタタキ♂(カネタタキ科)  #B029−2 カネタタキ♂(カネタタキ科)
 撮影C:2006/10/03 温泉津町福光  撮影C:2006/10/03 温泉津町福光
 体長9〜13mm。頭部,胸部は茶色、腹部は中央前から尻先まで黒く、肢は灰色の斑と言った感じです。全体に褐色した灰色の鱗片で覆われています。♀は翅が退化してありません。♂には短い翅がありますが、腹部の1/3しかありませんので飛ぶことはできません。 ■♂の翅は鳴き声を出す器官で、♪♪チン・ チン・ チンと鳴きます。鳴き声は、鐘を叩いた様な音を出すことからカネタタキと名付けられています。鐘はカネでも鉦叩(かねたたき)と書き、ゴーンゴーンとかカーンカーンの鐘ではなく、仏前にある青銅のチーンと鳴る鉦(かね)です。
 B029 カネタタキ♀(カネタタキ科)  B030 ハネナシコロギス♂幼虫(コロギス科)
 撮影C:2004/12/05 浜田市国分町 石見海浜公園  撮影C:2005/05/04 温泉津町井田
 クリスマスの季節と言うのに秋の虫がまだいました。カネタタキの活動時期は8月〜11月です。もともと秋の虫は11月終りまで活動するものが多く、暖かい年は12月でも普通に見られるそうです。写真には翅がありませんから♀です。  成虫の体長13〜15mm。成虫になっても名前の通り翅は生えません。肉食性で夜活動し、色々な昆虫を捕らえて食べます。


コオロギ
 B006 エンマコオロギ(コオロギ科)  #B006−1 エンマコオロギ♀(コオロギ科) [拡大
 撮影F:2003/09/01  温泉津町福光  撮影C:2004/08/29 温泉津町福光
 秋が近いですね。大型のコオロギで頭部に光沢があります。体長20〜25mm。♀は産卵管があり翅がつるっとしていて、♂は模様があります。♂の翅は擦り合わせて音が出る構造になっています。
■鳴き声 ♪♪コロコロコロリー (周波数帯域2KHz)
 光沢のあるヘッド、白い眉毛に後肢のトゲトゲと産卵管がありますからエンマコオロギの♀です。
 #B006−4 エンマコオロギ♀(コオロギ科)  #B006−5 エンマコオロギ♀(コオロギ科)
 撮影C:2007/10/02 温泉津町福光  民家k庭  撮影F7:2007/10/02 温泉津町
 #B006−2 コオロギ幼虫(コオロギ科)  #B006−3 コオロギ幼虫(コオロギ科)
 撮影C:2005/08/13 温泉津町福光 民家Kそば  撮影C:2005/08/13 温泉津町福光 民家Kそば
 腹部に白い線が見えますからエンマコオロギと思います。  幼虫は成虫同様雑食性で、小さな虫や植物の実を食べて大きくなり、一般的に8月中に羽化して成虫になります。
 #B006−6 エンマコオロギ中齢幼虫?(コオロギ科)  
 撮影S10:2009/09/03 温泉津町  
 コオロギの幼虫が載っている図鑑は少なく、数種しか調べることができませんでした。エンマコオロギの中齢幼虫には、「胸部背の後縁に沿って、白線がある。」の記述がありました。  
 B041 ミツカドコオロギ♀(コオロギ科)  #B041−1 ミツカドコオロギ♀(コオロギ科)
 撮影F7:2007/10/02 温泉津町  撮影F7:2007/10/02 温泉津町
 体長18〜20mm。全体は闇褐色から黒褐色で、産卵管は後肢脛節の長さより少し短いです。鳴き声♪♪チッ、チッ、チッ、チッ・・ ×ツヅレサセコオロギ♀:一般に翅が短く、産卵管は尾毛より長い
×ハラオカメコウロギ♀:産卵管は後肢脛節より長い
 B046 ハラオカメコオロギ♂(コオロギ科)  #B046−1 ハラオカメコオロギ♂(コオロギ科)
 撮影C:2007/10/09 温泉津町 福光  撮影C:2007/10/09 温泉津町 福光
○ハラオカメコオロギ♂:触角第1節に外側に向く突起をもつ
×タンボオカメコオロギ♂:触角第1節に外側に向く突起がない。
 中部以西に分布しない
?オオオカメコオロギ♂:


カマドウマ
 B037 クラズミウマ♂(カマドウマ科)  #B037−1 クラズミウマ♂(カマドウマ科)
 撮影X:2006/03/17 温泉津町今浦 民家Y  撮影X:2006/03/17 温泉津町今浦 民家Y
 体長20mm前後。翅をもたず、暗い場所で生きる好洞窟昆虫です。民家の床下や、日の入らない湿った暗い場所で生活しています。食べるものは虫の死骸や植物で、民家の台所に入って夜中野菜屑を食べたりします。毒はありませんが、体の割りに、触角と肢が長くて大きく見え、見かけで嫌われ、害虫指定されています。
■クラズミウマ:蔵の隅とか蔵に住む、体が馬の背に似た虫から名付けられていると思います。只今調べ中です。
■カマドウマ(竈馬):昔、台所が土間で、竈(かまど)がある時代に暗くなるとこの周りでよく見かけ、体が馬の背に似た虫から名付けられています。昔、便所の様な湿った所でもよく見かけたことから、ベンジョコウロギとも呼ばれます。
 上の写真には腹部先中央に産卵管がありませんから♂です。♀は弓なりで、上向きの産卵管があります。

<似た仲間>日本で27種程度知られています。
●マダラカマドウマ:体長20〜25mm。灰褐色から黄褐色に黒い鮮明な斑模様が見られ、後肢が長いのも特徴です。
●カマドウマ:体長20mm前後。斑模様のないカマドウマ。
 B045 コノシタウマ♀(カマドウマ科)  #B045−1 コノシタウマ♀(カマドウマ科)
 撮影C:2007/06/06 大田市三瓶町  撮影C:2007/06/06 大田市三瓶町
 体長20〜25mm。頭部前面下あたりから複眼を通って腹部側面に黒褐色の条が見られます。古い落ち葉のある林や、草が生い茂る暗い場所に生息しています。 注:側面の黒条が胸部から消えていますから同定に少し不安があります。但し、図鑑に黒色斑紋の変化は多いと記載されています。


ケラ
 B012 ケラ(ケラ科)  #B012−1 ケラ  [拡大
 撮影F:2004/04/18  温泉津町福光  田んぼ  撮影C:2004/04/20  温泉津町福光  田んぼ
 体長30〜34mm。上部がモグラの様で、下部がコオロギの様な格好をしています。体全体は茶褐色で、細かい毛で覆われていて水をはじく構造になっています。後翅は腹部より長く、発達していて飛ぶことができるそうです。食性は雑食性で、植物(イネ,ムギ,芝草など)の根,葉、小動物(ミミズ)、昆虫の死骸などを食べます。湿った土の中を好み、田んぼで土を掘り返した時見かけます。鳴くのも土の中で、♪♪ジーージーージーーと鳴きます。  学名を日本語にすると、モグラコオロギになります。日本では1種類しかいないそうです。特徴は、やはり手の掌を広げた様な大きな前肢で、モグラの爪の伸びた手に似ています。■手を伸ばして広げていることから一文無しのことをオケラと言うようになったそうです。


直翅目(3万種)>
 ・バッタ(トノサマバッタ,クルマバッタ,ショウリョウバッタ,イナゴ)
 ・キリギリス(クサキリ,ヤブキリ,ウマオイ,ササキリ,クダマキモドキ)
 ・ツユムシ,クツワムシ
 ・カマドウマ
 ・コオロギ(エンマコオロギ,ミツカドコオロギ,ヒメコオロギ)
 ・スズムシ,マツムシ,カネタタキ
 ・ケラ

 草食性です。力強い後肢が特徴で、ジャンプする動きで移動します。幼虫と成虫は翅の大きさが違う程度でよく似ています。不完全変態の形態をとります。

[注]撮影F:FUJIFILM FinePix−S7000, 撮影C:OLYMPUS C−750UZoom, 撮影D:KONIKA MINOLTA DiMAGE−Z3

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