福光村・昆虫記【リスト】 セミ (半翅目:はんしもく/カメムシ目) S1 |
S2 カメムシ |
S3 その他半翅目 |
#S001 アブラゼミ(セミ科) [拡大] | #S001−1 アブラゼミ(セミ科) |
撮影F:2003/08/18 温泉津町福光 | 撮影F:2003/08/18 温泉津町福光 |
全長51〜60mm。鳴き声:ジリジリ♪♪ 庭先の木から雑木林とほとんどの所にいます。活動時期:7月下旬〜9月下旬。アブラゼミの由来は羽の色からではなく、油を煮たたせているときの音が、真夏の暑い時期にジリジリと鳴くアブラゼミの声に似ているからだそうです。 |
■産卵から6年で成虫になります。幼虫期は5年で、成虫の寿命は15〜20日前後だそうです。 |
#S001−4 アブラゼミ(セミ科) [拡大] | #S001−5 アブラゼミ(セミ科) |
撮影C:2004/07/17 温泉津町福光 | 撮影C:2004/07/17 温泉津町福光 |
体長35〜38mm、全長(頭部端から翅の端まで)51〜60mm。翅全体が油色で日本ではだれでも知っている普通のセミですが、日本以外では珍しいそうです。世界のほとんどのセミの翅は透明で、不透明といっても透明な翅に模様があるものだそうで、アブラゼミの様に透明部分がなく、全体に色が付いているものは極わずかだそうです。 | |
#S001−6 アブラゼミ(セミ科) 羽化 | #S001−7 アブラゼミ(セミ科) |
撮影F7:2005/08/22 温泉津町 | 撮影F7:2005/08/22 温泉津町 |
#S002 ヒグラシ♂(セミ科) [拡大] [鳴き声 .wav] | #S002−2 ヒグラシ♀(セミ科) |
撮影F:2003/08/24 温泉津町福光 くぬぎ林 | 撮影C:2004/08/22 温泉津町福光 |
全長40〜50mm。写真は腹部が大きいですから♂です。鳴き声を共鳴させる為の構造で、ほとんど空っぽです。♂はカナ・カナ・カナ♪♪と鳴くそうですが、カナカナとは聞こえません、ケケケケケ・・・と聞こえます。鳴く時間帯は決まっていて朝方と特に夕方です。昼間に鳴くことはあまりないとされていますが、曇りの日や暗い林の中では昼間鳴きます。杉、ヒノキなどの針葉樹にいます。活動時期:6月下旬〜9月上旬。 | 体の色がヒグラシに見えませんが、山地に住むタイプは、全体に黒いそうです。ヒグラシの見た目の特徴は、腹部の先が白いことで、♂♀共白い粉で覆われ帯状になっています。♀の腹部は♂の半分ぐらいです。 |
#S002−3 ヒグラシ♂(セミ科) | #S002−4 ヒグラシ♀(セミ科) |
撮影F7:2005/08/02 温泉津町 | 撮影F7:2005/08/02 温泉津町 |
#S002−5 ヒグラシ♂(セミ科) [拡大] | #S002−6 ヒグラシ♂(セミ科) |
撮影F7:2005/08/16 温泉津町 | 撮影F7:2005/08/16 温泉津町 |
#S003 ニイニイゼミ(セミ科) [拡大] | #S003−1 ニイニイゼミ抜け殻(セミ科) |
撮影F:2003/08/25 温泉津町福光 | 撮影C:2004/07/20 温泉津町福光 |
全長32〜40mm、体長21〜23mm。鳴き声:チィーーー・・♪♪ 撮影したのは桜の木ですが、この種の木やけや木によく集まります。桜の木に対して保護色で、写真の通り輪郭がぼやけて見えます。 活動時期:6月下旬〜9月上旬。 |
幼虫は草や木の汁を吸います。ニイニイゼミの抜け殻には特徴があり、湿った土から出て来るので土で汚れています。汚れは湿った土の性質だけではなく、殻自体に土が付きやすく地上に出る時のカムフラージュの役目をしているようです。 |
#S003−2 ニイニイゼミ(セミ科) | #S003−3 ニイニイゼミ(セミ科) |
撮影C:2004/07/20 温泉津町福光 | 撮影C:2004/07/20 温泉津町福光 |
橙色が混じって左の写真に比べ赤っぽいです。ニイニイゼミは橙っぽいタイプと緑っぽいタイプがいます。沖縄には4種類ぐらいのニイニイゼミがいて、ミヤコニイニイというもっと橙色のタイプがいます。 | |
#S003−4 ニイニイゼミ(セミ科) 羽化 | #S003−5 ニイニイゼミ(セミ科) |
撮影X:2005/08/01 温泉津町今浦 | 撮影C:2004/08/11 温泉津町福光 |
写真は羽化後の翅を乾かす過程で、翅を延ばし終え、乳白色から木肌色に発色したところだそうです。 | |
#S003−6 ニイニイゼミ(セミ科) | #S003−7 ニイニイゼミ(セミ科) |
撮影S10:2011/08/07 町田市野津田 七国山 | 撮影S10:2011/08/07 町田市野津田 七国山 |
#S004 ツクツクボウシ♀(セミ科) [拡大] | #S004−1 ツクツクボウシ(セミ科) |
撮影F:2003/08/25 温泉津町福光 | 撮影C:2003/08/20 温泉津町福光 |
全長43〜46mm、体長26〜32mm。桜の木や柿木によくいます。腹部の先端が細い管のようになっていますから♀です。この管は産卵管で、♂にはありません。日本のセミの仲間で産卵管が裸で飛出しているのは本種とハルゼミだけです。活動時期:7月下旬〜10月上旬。 | 鳴き終わるまで飛び立ちませんが、高い木の上で鳴いているため、なかなか捕まえることができません。人が近づくと鳴き声が急に早くなり、ワンフレーズ鳴き終えて飛び立ちます。 |
#S004−2 ツクツクボウシ♀(セミ科) | #S004−3 ツクツクボウシ♂(セミ科) [鳴き声 .wav] |
撮影F:2003/08/25 温泉津町福光 | 撮影C:2004/07/20 温泉津町福光 |
キラキラと背が光って見えますが、金色の短い毛で覆われているためです。 | 鳴き声:ツクツクオーシ・ツクツクオーシ・♪♪ 実際に鳴き声を録音しました。上記[鳴き声]をクリックしてみて下さい。 |
#S004−4 ツクツクボウシ♂(セミ科) | #S004−5 ツクツクボウシ♀(セミ科) |
撮影F7:2005/08/22 温泉津町 | 撮影C:2005/08/27 温泉津町福光 |
#S004−8 ツクツクボウシ♂(セミ科) | #S004−9 ツクツクボウシ♀(セミ科) |
撮影F7:2007/08/26 横浜市 | 撮影S10:2009/09/10 座間市 谷戸山公園 |
#S006,−1 ミンミンゼミ♂(セミ科) | #S006−2,−3 ミンミンゼミ(セミ科) [拡大] |
撮影F:2003/09/24 温泉津町福光 | 撮影F7:2005/09/01 温泉津町 |
全長55〜64mm、体長33〜36mm。鳴き声:ミーン・ミン・ミン・ミン・ミー♪♪ ミンは3回、これを7〜10回程度繰り返えします。鳴く♂は腹弁が大きく、腹部の先が丸いです。桜の木や、けや木によく集まります。活動時期は7月下旬〜9月下旬です。 ■腹弁(ふくべん):♂は腹弁につく発音筋で、背弁の下にある発音膜を振動させて鳴く構造のため、♀に比べかなり大きい。 |
■色や模様には変異が多く、四つの型に分けられています。 1.普通型:胸部背は黒色で、緑色の模様が見られる 2.緑化型:胸部背は緑色で、黒い模様が見られる 3.黒化型:胸部背ほぼ全体黒い 4.ミカド型:胸部背ほぼ全体緑色 ■日本のセミの多くは、地中にいる幼虫期が3年で、ミンミンゼミは長く7年です。世界の中で長いものは17年だそうです。成虫としての命は1,2週間です。 |
#S006−4,−5 ミンミンゼミ♀(セミ科) [♪鳴き声] | #S006−6,−7 ミンミンゼミ♀(セミ科) |
撮影S10:2009/08/06 相模原公園 | 撮影S10:2009/08/06 相模原公園 |
#S164−1,−3 クマゼミ♂(セミ科) | #S164−2,−4 クマゼミ(セミ科) |
撮影TG6:2021/07/14 岐阜県各務原市 | 撮影TG6:2021/07/14 岐阜県各務原市 |
全長60〜65mm、体長40〜48mm。鳴き声は大きくシャアーシャアー♪♪と、けたたましく鳴く。関東以西に生息し、平地や市街地で見かけ、センダン,アオギリ,カキ,サクラの木に集まり樹液を吸汁します。活動時期は7月〜9月上旬。頭部胸部腹部の背面は光沢のある黒色です。 | 写真S164−1は、黒色というより黄褐色の微毛で覆われて全体茶褐色に見えますから若い個体です。翅の広がりも小さく見えますから羽化して間もない個体だと思います。 ※追記2023.8.1:生息域の関東の北限は、どんどん北上している様で、最近は東京や茨木でも見かけるそうです。 |
◆セミの足に見られる赤又は橙色の点について 図1に書きましたが、セミの肢を見ますと時々赤又は橙色の点を見つけます(本ホームページのニイニイゼミ#S003にも見られます)。半翅目に付くタカラダニ科の幼虫が寄生したものだそうです。タカラダニ科のダニ一般の大きさは1〜2mm。朱色で目立った色をしています。幼虫はセミなどに寄生しますが、成虫は花粉などを食べます。名の由来は、セミに付いたタカラダニが、宝物を持っている様に見えた説と、タカラダニが付いたセミを普通と違うお宝といった説があります。 |
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半翅目(2万5千種)> ・セミ(ミンミンゼミ,アブラゼミ,ニイニイゼミ,ツクツクボウシ,クマゼミ,ヒグラシ,ハルゼミ,クサゼミ,エゾゼミ,チッチゼミ) ・カメムシ(ナガカメムシ,サシガメ,ヘリカメムシ,トゲカメムシ,ナガメ,ナシカメムシ,クヌギカメムシ,スジカメムシ,クサギカメムシ) ・ミズカマキリ,アメンボ,タガメ,タイコウチ,ミズムシ,マツモムシ,コオイムシ,ナベブタムシ,コバンムシ ・アワフキムシ,アブラムシ,ヨコバイ,ウンカ,ハゴロモ,スケバ,ツノゼミ,ミミズク ・カイガラムシ,ロウムシ 半翅目は口が注射針の形をし、樹木の樹液や、植物の汁を吸います。小動物の体液を吸う仲間もいます。目は1対の複眼がありその間に3個の単眼を持ちます。羽は前翅,後翅それぞれ1対あります。カメムシの前翅の特徴は、先は膜状で根元の半分は硬い構造になっています。半翅目とはここから付けられた名です。蛹にならない不完全変態の形態をとります。 |
[注]撮影F7:FUJIFILM FinePix−S7000, 撮影C:OLYMPUS C−750UZoom, 撮影D:KONIKA MINOLTA DiMAGE−Z3 |
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